株価変化とテクニカル分析
株価水準は当該企業の配当金や収益力、資産によって概ね決まり、株価変化は水準内の微調整であることが多い、この立場に立つ株価論をファンダメンタル学派と呼んでいる。しかし現実には株価変化が水準内の微調整であるに止まらず、収益力や資産の変化を先導している場合がある。株価の先見性といわれるものである。経済の大変化が株価変化に先見されている場合さえある。1929年秋のNY市場の株価暴落時には、市場が間違っていると言い切った著名な経済学者がいて後々失笑を買ったが、29年の場合には株式市場の方が正しかった。その後株価指数は経済の先行指標としての地位を確立した。テクニカル分析は、株価変化を平滑してトレンドとして把握し、その変局点を容易に捉えようとする工夫である。トレンドが変局した場合には、水準内の微調整ではなく、水準自体の変更であると理解される。今日では、コンピュータの普及と進歩がテクニカル分析に味方している。